帰化申請は、行政書士に依頼しなくても、ご本人で申請もすることはもちろん可能です。
帰化申請に精通した行政書士であっても、証明書類収集、帰化申請書作成に約1か月は要します。
ご本人が帰化申請の書類収集段階を行う際、法務局や役所への不明点の問い合わせは基本的に平日日中に行わなければなりません。
やっとの思いで完成した帰化申請書も、内容の矛盾や収集書類に不足があれば受付けされず、再提出となり何度も法務局や市役所に足を運ぶことになります。
これを何度も繰り返している間に、せっかく収集した証明書類の有効期限が切れ、再度の取得が必要となったりします。
帰化申請が不許可になった記録は法務局に残り、次回申請にも影響を及ぼします
このようなデメリットに不安のある方はぜひ一度ご相談ください。
帰化許可申請
帰化とは、その国の国籍を持たない方(外国人の方)の申請に対して、国が許可を与えて日本国籍を与えることをいいます。
外国人が帰化申請をして許可になれば、日本人となり、以降、日本国民に法律上、与えられている権利を得て、義務を負うことになります。
パスポートも当然、日本国のパスポートになり、選挙権・被選挙権を持ち、政治に参加することもできます。
つまり、日本人とまったく同じになります。
帰化許可申請手続
帰化許可申請は、本人(15歳未満のときは,父母などの法定代理人)が自ら申請先に出向き,書面によって申請することが必要です。
その際には,帰化に必要な条件を備えていることを証する書類を添付するとともに,帰化が許可された場合には,その方について戸籍を創設することになりますので,申請者の身分関係を証する書類も併せて提出する必要があります。
帰化の許可は,法務大臣の権限とされています。条件を満たしたから許可されなければならないわけではなく、あくまで法務大臣の自由裁量とされています。
帰化許可の申請は結果が出るまでに長時間かかるのが一般的です。
受付から通常2~3か月後、面接があり、そこで申請内容について質問されたり、日本語能力をチェックされたりします。
審査の結果は、受付後、6~10か月後になることが多いです。ただし、事案によっては、1年以上かかるケースもあります。
この審査期間中も生活態度等に問題があれば申請は不許可となりますので注意が必要です。
許可されると官報に告示されます。官報に告示された日から日本国民となります。
許可後も戸籍法に基づき市区町村長に対して国籍取得の届出をする等の手続きも必要になってきます。
国籍を証する書面及び身分関係を証する書面については,原則として本国官憲が発給したものを提出する必要があります。
帰化申請を行う際は,申請までに法務局へ何度か足を運び,申請の相談と書類の確認を行います。そして,不許可の見込みが高い場合は,申請の相談段階で法務局から指摘を受けます。
そのため,そもそも不許可リスクの高い人は,申請前の相談段階で,法務局からの助言をもとに,帰化申請を行わない人が多いというのが1つ目の理由です。
2つ目の理由として,帰化申請は入管申請と大きく異なり,帰化申請後に申請を取り下げるケースが実務上多くある点です。
帰化申請を行った後に,法務局の担当官から申請者へ連絡があり,帰化申請の取り下げを勧められることがあります。
このような連絡があるということは,”あなた(申請者)は申請後に不利益な事項があったので,不許可の可能性が高いと判断していますよ”という法務局からのメッセージです。
帰化申請が不許可になった記録は法務局に残り,次回申請にも影響を及ぼしますので,法務局から帰化申請の取り下げ連絡があった場合は,ケースによっては申請取り下げに応じることをお勧めします。
原則不許可理由を教えてくれません
①申請後に申請した内容からの変更(結婚,離婚,引越し,転職など)があったにも関わらず法務局へ報告を行わなかった。
②申請後に,審査に不利益な事項(法律違反(過度な交通違反を含む),租税公課の未納,破産手続開始決定を受けたなど)が発生した。
③帰化申請で提出した申請書類に虚偽や事実と乖離する記載が確認された。
④法務局からの追加書類提出依頼に対して,対応を行わなかった。
この4つが一般的には不許可理由として多いケース
日本国籍の取得要件
まず、日常生活に支障のない程度の日本語能力(会話及び読み書き)を有していることが必要です。
帰化許可申請で日本国籍を取得するためにはいくつかの要件が必要です。
- 1. 住所条件(国籍法第5条第1項第1号)
- (ア) 帰化の申請をする時まで,引き続き5年以上日本に住んでいることが必要です。なお,住所は,適法なものでなければなりませんので,正当な在留資格を有していなければなりません。
- 2. 能力条件(国籍法第5条第1項第2号)
年齢が20歳以上(注)であって,かつ,本国の法律によっても成人の年齢に達していることが必要です。- * 令和4年(2022年)4月1日から,「20歳以上」が「18歳以上」に変更
- 3. 素行条件(国籍法第5条第1項第3号)
素行が善良であることが必要です。素行が善良であるかどうかは,犯罪歴の有無や態様,納税状況や社会への迷惑の有無等を総合的に考慮して,通常人を基準として,社会通念によって判断されることとなります。
(交通違反などに注意が必要です)
- 4. 生計条件(国籍法第5条第1項第4号)
生活に困るようなことがなく,日本で暮らしていけることが必要です。この条件は生計を一つにする親族単位で判断されますので,申請者自身に収入がなくても,配偶者やその他の親族の資産又は技能によって安定した生活を送ることができれば,この条件を満たすこととなります。
- 5. 重国籍防止条件(国籍法第5条第1項第5号)
帰化しようとする方は,無国籍であるか,原則として帰化によってそれまでの国籍を喪失することが必要です。なお,例外として,本人の意思によってその国の国籍を喪失することができない場合については,この条件を備えていなくても帰化が許可になる場合があります(国籍法第5条第2項)。
- 6. 憲法遵守条件(国籍法第5条第1項第6号)
日本の政府を暴力で破壊することを企てたり,主張するような者,あるいはそのような団体を結成したり,加入しているような者は帰化が許可されません。
なお,日本と特別な関係を有する外国人(日本で生まれた者,日本人の配偶者,日本人の子,かつて日本人であった者等で,一定の者)については,上記の帰化の条件を一部緩和しています(国籍法第6条から第8条まで)。
住所要件(5年)が緩和
- • 日本国民であった者の子(養子を除く。)で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有するもの
- • 日本で生まれた者で引き続き3年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養 母を除く。)が日本で生まれたもの
- • 引き続き10年以上日本に居所を有する者
- •
住所要件(5年)能力要件(20歳以上)が緩和ないし免除
- • 日本国民の配偶者たる外国人で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するもの
- • 日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有するもの
住所要件(5年)、能力要件(20歳以上)、生計要件が緩和ないし免除
- • 日本国民の子(養子を除く)で日本に住所を有するもの
- • 日本国民の養子で引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であったもの
- • 日本の国籍を失った者(日本に帰化した後日本の国籍を失った者を除く。)で日本に住所を有するもの
- • 日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き3年以上日本に住所を有する者
帰化許可申請に必要となる主な書類
- 1. 帰化許可申請書(申請者の写真が必要となります。)
- 2. 親族の概要を記載した書類
- 3. 帰化の動機書
- 4. 履歴書
- 5. 生計の概要を記載した書類
- 6. 事業の概要を記載した書類
- 7. 住民票の写し
- 8. 国籍を証明する書類
- 9. 親族関係を証明する書類
- 10. 納税を証明する書類
- 11. 収入を証明する書類
国籍を証する書面及び身分関係を証する書面については,原則として本国官憲が発給したものを提出する必要があります。
なお,申請者の国籍や身分関係,職業などによって必要な書類が異なります
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