「技能」は、本邦の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動を行うための在留資格です。
 具体的には、インド料理や中華料理等の外国料理の料理人、パイロット、ワインのソムリエ等がこれにあたります。

在留資格該当性(申請人の行う活動が以下のような活動であること)

「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う」
日本国内の企業等に直接雇われて給与の支払いを受けることが必要です。レストランは法人化されていない個人事業の形態で営まれていることもありますが、これも「本邦の公私の機関」に該当するので、「技能」の在留資格申請の所属機関になることができます。

「熟練した技能を要する業務に従事」
このような業務に従事すれば在留資格該当性はあるはずですが、実際には基準省令に明示された職種でないと「技能」の在留資格は許可されないのが原則です。

許可基準に適合

「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬」
一般的に「技術・人文知識・国際業務」の場合より報酬額が低くても許可されやすいです。
 特に外国料理の調理人の場合は、月額報酬が15万円から17万円程度でも許可がおりるのが通常です。ただし、この場合、日本で生活していくのが経済的に困難であるという理由で、この料理人の扶養を受ける家族の「家族滞在」が許可されない可能性があります。

「外国において考案され」
和食の調理では「技能」の在留資格は許可されないことになります(「技能」以外の在留資格が許可されることはあります)。

「我が国において特殊なものを要する」
いくら海外にルーツがある料理でも必ずしも本国で何年も経験を積んだ料理人を必要としない料理であれば「技能」の在留資格は許可されないということです。例えば、日本のチェーン店で日本風にアレンジされた「ラーメン」や「カレー」を調理する場合は、「技能」の在留資格が許可されない可能性が高いです。実務上、当該外国料理の「コースメニュー」があると基準適合性が認められやすくなります。そこで、コースメニューがある場合は、そのメニューの写しを提出してください。

「10年以上の実務経験」
過去の勤務先から在職証明書を発行してもらい立証する必要があります。虚偽の在職証明書を提出するケースが後を絶たないため厳しい審査を受けることがあります

「外国の教育機関」
大学でなく料理の専門学校でも認められます。

「経済上の連携に関する日本国とタイ王国との間の協定附属書七第1部A第5節1(c)の規定の適用を受ける者」
5年間以上のタイ料理人としての実務経験、初級料理人の資格、来日前1年以内にタイ料理人としての平均賃金以上の報酬を得て働いていたこと(正確な要件は外務省のウェブサイトに掲載されています)が要件となります

「外国に特有の建築又は土木」
実務上、カナダのツーバイフォー建築の職人、インドの煉瓦職人等が「技能」の在留資格を許可されています。
 「外国に特有の建築又は土木」である必要があるため、例えば和式の木造住宅や瓦屋根を作る職人の場合は、いかに職人として実務経験があっても「技能」の在留資格は許可されません。

「外国に特有の製品」
具体的には「ペルシャ絨毯」等がこれにあたります。

「石油探査のための海底掘削」
「石油探索のため」である必要があるため、貴金属探査のための掘削に従事する場合は認められません。

「海底鉱物探査のための海底地質調査」
「海底地質調査」ですから、地上の地質調査に従事する場合は認められません。

「スポーツの指導に係る技能」
 元々は、民間企業のラグビーチーム等実業団の監督やコーチ等が本号により「技能」の在留資格を許可されていましたが、近年日本でスキーやラフティング等のアウトドアスポーツを指導する外国人インストラクターが本号により「技能」の在留資格を許可されるケースが増えています。

その他注意事項

 外国料理の調理人として「技能」の在留資格を申請するときは、申請人の調理における実務経験を立証するために、申請人が過去に勤務していたレストラン等から過去の在職を証明する証明書を取り寄せる必要があります。
 この証明書が偽造されることが少なくないため、入管当局が在職証明書に記載された電話番号に電話をして、「本当にこのレストランが存在して、申請人に対して在職証明書を発行したか?」「申請人は何年何月から何年何月まで勤務していたか?」等を確認することがあります。在職証明書に載っている電話番号が古いものでつながらない場合や、署名者が申請人のことを記憶しておらず入管当局この質問に答えられないような場合、申請が不許可になってしまいます。
 申請人、所属機関となるレストランが在職証明書記載の電話番号に電話をかけて、その番号でレストランに電話がつながること、申請人が過去に在職していたことを署名者が把握していることを確認しておいた方が安全です。

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